アフガニスタンのバグラム米空軍基地内にテロ容疑者として拘束されている収容者4人が、拘束の不当性を米裁判所に訴える権利を求めた訴訟で、当地の連邦地裁は2日、収容者側の主張を認める判断を下したと言う。
ベーツ判事はこの案件について、キューバにあるグアンタナモ米海軍基地の収容者らのケースと「非常に近い」との認識を示した。そのうえで、「4人には米国で裁判を受ける権利がない」とした米司法省の主張を退けた。
連邦最高裁は昨年、グアンタナモの収容者に、不当拘束を訴える権利を認める判断を示した。これに基づいて収容者の多くが裁判所に拘束への異議を申し立て、一部にはすでに釈放命令が出されている。
オバマ大統領は就任直後の今年1月、グアンタナモ収容所を1年以内に閉鎖するよう指示。オバマ政権はさらに、同収容所での無期限拘束の根拠となった「敵性戦闘員」の概念を廃止する方針も発表した。一方で、バグラムの収容者については「同基地は戦闘地域の中心に位置し、グアンタナモとは違う」との理由で、裁判を受ける権利を否定する立場を示していた。
訴えていた4人は、いずれもアフガン国外での拘束者とされ、テロ容疑を否定している。
専門家らによれば、司法省側は上訴する可能性が高いとみられる。