黒人の心不全発生率は、同世代の白人と比べて20倍の高率になるとの研究調査結果を、米国の研究者が米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。30-40歳代の黒人が心不全になる率は、50-60歳代の白人とほぼ同じで、黒人100人に1人が50歳を迎えるまでに心不全に陥るとしている。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校のクリステン・ビビンズドミンゴ博士らは、黒人と白人の男女5115人について、18-300歳の時点から20年にわたって調査を実施。
その結果、50歳までに心不全になる黒人女性は1.1%、黒人男性は0.9%だったのに対し、白人女性は0.08%、白人男性は0%と、黒人の方が男女ともに高率だった。
また、18-30歳代から平均15年以内に心不全にかかる要因として、ビビンズドミンゴ博士は拡張期血圧が高いこと、肥満の指標に用いられる体格指数(BMI)が高いこと、「善玉」と呼ばれるHDLコレステロール値が低いことなどを挙げている。
この研究結果に米国心臓協会のクライド・ヤンシー博士は、心不全に陥る要因を取り除くため、若い世代から生活習慣に気をつけ、運動不足や肥満に陥らないことが大切だと話している。