オバマ大統領がCIAの次期長官に指名したレオン・パネッタ元大統領首席補佐官は7日まで上院情報特別委員会の承認公聴会に出席し、就任した場合、テロ容疑者への拷問を中止し、第三国に移送して拷問を交えた尋問などは実施しないとの考えを示した。
ブッシュ前政権下での手法を否定したもの。同氏は、米政府はこれまでテロ容疑者を拷問させるために他国に移していたと指摘。しかし、同委の共和党委員に詳細を追及されたところ、この種の移送について直接情報を得たわけではないと後退した。
パネッタ氏は、米国民の安全に必要な情報は、法規を守りながらでも入手できると強調。ただ、差し迫ったテロの危機があり、情報入手の手段が足りないと判断した場合、新たな権限を求めるためオバマ大統領に超法規的措置の裁断を求める考えも示した。
氏はまた、ブッシュ政権下で水責めなどの拷問に関与したCIA要員らは指示に従っただけとし、訴追すべきではないとも述べた。
パネッタ氏は、クリントン元政権時代に首席補佐官などの要職を務めた。連邦議会内には、情報機関での勤務経歴がないことから次期長官への指名をいぶかる見方もある。