キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(82)は22日、政府のウェブサイト上で論説を発表したと言う。
オバマ米新大統領の就任に言及したうえで、同大統領が4年間の任期を終えるころに自身は世を去っているとの見通しを示唆している。
病気療養中の前議長の論説は昨年12月中旬から1カ月以上中断していた。
解放50周年記念日の今月1日にコメントが発表されなかったことから重体説や死亡説に拍車がかかったが、21日にはアルゼンチンのフェルナンデス大統領との会談が報じられた。
新たに掲載された論説の末尾には、前議長の署名とともに「09年1月22日」の日付がある。前議長はこの中で、「私は長年にわたり、世界情勢を見守る特権的立場にあった。オバマ大統領の一期目が終わる4年後にはその特権もないだろう」と述べた。オバマ大統領については「リンカーン元大統領やキング牧師から啓示を受け、米国の夢を体現する人物となった」と賞賛の言葉を贈っている。
前議長は06年7月、弟ラウル氏に暫定的に権限を委譲すると発表してから公の場に姿を現していない。昨年2月にはラウル氏が正式に議長に就任した。