米シンクタンク、国際政策センターのセリグ・ハリソン・アジア研究部長は17日、北朝鮮の複数の高官が、プルトニウムを既に兵器化したと主張した事を明らかにしたと言う。
北朝鮮は核問題めぐる6カ国協議で、強硬姿勢を一層強めたとみられる。
ハリソン氏は北朝鮮高官らとの面会した数少ない米研究者の1人で、先日5日間の訪朝日程を終えたばかり。同氏が当地で行われた記者会見で語ったところによると、北朝鮮が兵器化したと主張したプルトニウムは、核兵器4-5個分の30.8キロ。
北朝鮮側は、この兵器が核計画の検証対象外との認識を示したという。
6カ国協議は北朝鮮の核開発停止を目指して03年に始まったが、北朝鮮高官の発言が事実であれば今後の見通しは暗い。ハリソン氏は、6カ国の駆け引きが変化すると指摘するとともに、北朝鮮が6カ国協議で合意されたエネルギー支援の履行を日本に求めている事を明らかにした。
ハリソン氏は、北朝鮮が新たに強硬姿勢を示した理由の1つとして、金正日総書記の健康問題を挙げている。同氏が接触した北朝鮮高官らは、重要案件が金総書記に提出されているものの、金総書記が以前のように日常的な意思決定に関与することはないとほのめかした。