NASAの無人探査機「スピリット」が火星に着陸してから3日で、丸5年が過ぎた。当初の計画では観測期間は4年9カ月だったが、これを大幅に越えて、6年目に入った。
「スピリット」は04年1月3日に、その21日後にはもう1機の「オポチュニティ」が、それぞれ赤道面近くに着陸。2機は真反対の場所で観測を続けている。
これまでに2機が地球へ送信してきた画像は25万枚に達し、移動距離は21キロを超えた。2機は火星の山を登り、砂漠を越え、クレーターを下って様々な観測データを地球に送り続けている。
予定よりも長い間、観測が続けられる理由として、火星地表面に吹く強風が、探査機の電力源となるソーラーパネル上につくホコリやゴミを吹き飛ばしているためと考えられている。
「スピリット」には現在、激しい砂嵐が襲っており、昨年11月から消費電力を抑えるため、活動量を低下させている。春になれば砂嵐もおさまり、十分な電力を太陽光から得られる見込みで、火山性活動の結果生じたクレーター「ゴダード」の観測を実施する予定。