米国防総省当局者は11日、イランがイラクの反政府武装勢力に供与していた路上爆弾の数が最近数カ月で減少傾向にあると指摘した。AP通信が報じた。装甲車両も貫通出来る高性能の路上爆弾などの数は1年前の月間60-80個から12個-20個に減っているという。
米国防総省でイラクやアフガニスタンの両軍事作戦で路上爆弾対策の部局を率いるトーマス・メッツ陸軍中将が述べた。イラク政府報道官も、イラク内でのイラン勢力の活動が減っていることを認めた。
イラン製路上爆弾の減少は、米国とイラクが先に合意した、来年以降に適用される駐留米軍の地位協定がイランに脅威とならないとの判断を反映しているともみられる。イランは同協定に反発し、イラク政府に圧力も加えていたとされる。同協定には、イラクを外国侵入の拠点としない条件も盛り込まれた。
米国は、イスラム教シーア派などのイラク武装勢力への武器支援はイランの精鋭、革命防衛隊の特殊部隊が実施しているとし、イランによる内政干渉の有力な証拠と主張してきた。路上爆弾にはイラン製を示す印があり、拘束した武装勢力メンバーもイランの供与を認めていたとされる。