インド西部の商業都市ムンバイで先月26日起きた同時多発テロで、パキスタンのギラニ首相は10日、事件に関与したとインドが主張するイスラム過激派「ラシュカレトイバ」の指導者2人を逮捕した事を確認したと言う。
作戦司令官のザラール・シャー容疑者らとされる。同組織は、インドと領有権を争うカシミール地方のパキスタン側に拠点を置く。インドはテロで、ラシュカレトイバが首謀したと主張、パキスタン側に迅速な法的措置を要求していた。
事件ではまた、イスラム過激派「ジェイシモハメド」の加担も指摘されるが、ギラニ首相は同派指導者、マスード・アズハル師の拘束は確認しなかった。
パキスタン治安部隊は7日、カシミール地方のパキスタン側の中心都市ムザファラバードでラシュカレトイバの拠点を急襲、十人以上を逮捕していた。指導者2人はこの中に含まれているとみられる。
ラシュカレトイバとジェイシモハメドは共闘関係にあるとされ、01年にインド議会へのテロ攻撃後、非合法組織に指定されている。米政府は、ラシュカレトイバとアルカイダのつながりも指摘している。
ムンバイ同時テロの実行犯10人のうち1人のみが生きたまま拘束されているが、ラシュカレトイバの犯行と自供し、ムザファラバード近くにある同組織の軍事基地で訓練を受けたとも供述している。