英の独立系レーシングエンジンメーカーである
イルモアが、F1のスタンダードエンジン開発を狙っているようだ。
F1を取り仕切るFIAは最近、スタンダードエンジンの入札をスタートした。ドイツ誌『Auto Motor und Sport(アウトモートア・ウント・シュポルト)』によれば、これまでに入札したのはイルモア、コスワース、メカクローム、ザイテック、ジャッドだという。
イルモアは現在Hondaと組んでアメリカのIRL(インディ・レーシング・リーグ)用エンジンを開発しているが、将来的にF1世界選手権のエンジン開発を一手に引き受けることを狙っているのだ。
マリオ・イリエン率いるイルモアは以前、メルセデス・ベンツのF1エンジン開発に携わりマクラーレンをサポートしていたことで有名だ。しかしメルセデス・ベンツは05年末にイルモアのF1開発部門を買収し、メルセデス・ベンツ・ハイ・パフォーマンス・エンジンとして現在運営されている。
イリエンはアウトモートア・ウント・シュポルト誌に対し、F1のスタンダードエンジンとして理想的なのは3リッターV8エンジンで、最高回転数を1万4,000回転に抑えたものだと説明し、「出力は680から700馬力になるだろう」と語った。
その仕様であれば、6グランプリを1つのエンジンで戦ったとしても信頼性が揺るがないものを作れるという。