パキスタンの情報機関筋は14日、同国北西部にある政府直轄部族地域の北ワジリスタン地区の民家に対し同日未明、少なくとも2発のミサイル攻撃があり、11人が死亡した事を明らかにしたと言う。
過去数カ月間、多発するアフガニスタン駐留米軍の無人武装偵察機の攻撃とみられる。
標的の民家の持ち主などは不明。AP通信は死者は少なくとも12人で、複数の外国人戦闘員が含まれると伝えた。ミサイルが撃ち込まれた民家は対アフガニスタン国境から約29キロ離れているとも報じた。
米国は、国際テロ組織アルカイダやアフガンの政権を追われたイスラム教強硬派勢力タリバンの残党や支持組織が部族地域で自由に活動、アフガンへの越境攻撃への拠点にしているとも主張している。
パキスタン内を標的にした米軍無人機によるとみられる攻撃は11月に2件目。
10月は11件に達していた。米特殊部隊がヘリコプターで侵入、拠点を攻撃した例もある
米政府は一連の越境攻撃の実施について確認を避けているが、パキスタン軍による北西辺境州などでのイスラム過激派対策が功を奏していないことにいら立ち、開始したものと受け止められている。パキスタンも統括するペトレイアス米中央軍司令官はこれらの攻撃で複数の過激派指導者を殺害したとも述べている。
ただ、住民の犠牲者も多く出ているとみられ、パキスタン政府は主権侵害と反発、米政府に厳重抗議もしている。