パキスタンのザルダリ大統領は10日、アフガニスタン国境付近に潜伏している国際テロ組織アルカイダやイスラム原理主義勢力タリバンを標的とした米軍のミサイル攻撃の必要性を、オバマ次期米大統領が見直す事に期待感を示したと言う。
ザルダリ大統領はAP通信の単独取材に対し、今年8月から急増している米軍のミサイル攻撃によって、パキスタンの武装勢力との戦いに悪影響が出ていると明言した。
米国は今年8月以来、国境地帯で少なくとも18回のミサイル攻撃を実施したとされ、パキスタン政府の武装勢力掃討能力に対する不満の表れとみられている。ミサイルは、3万2000人規模の米軍が駐留するアフガンから飛来した無人機によって発射されたという。
ザルダリ大統領は、オバマ氏が米軍のこうした戦略を再検討するとの見通しを示す一方、同氏の次期米政権が攻撃を継続するだろうとの認識を示した。
オバマ氏は選挙運動中、パキスタン国境地帯での米軍の攻撃を支持すると公言。
米国から巨額の支援を受けながら、武装勢力掃討で成果を挙げていないパキスタン当局への疑問を表明した。同氏はまた、大統領に選出され、パキスタンの対応が不可能もしくはその意思がない事が判明した場合は、パキスタン国内のテロリストを標的に一方的攻撃を開始する可能性を示唆した。