アフリカのコンゴ(旧ザイール)東部で26日、反政府勢力が軍事拠点と国立公園施設を制圧し、市民数千人が避難、国立公園に住むマウンテンゴリラの生存が脅かされていると国連と公園の広報担当者が明らかにしたと言う。
同地では国連の仲介により政府と反政府勢力との間で停戦交渉が行われていたが、同日交渉が決裂。反政府勢力は政府軍との戦闘で、北キブ州東部のビルンガ国立公園の本部施設を完全制圧した。
ビルンガ国立公園には絶滅の危機に瀕している世界のマウンテンゴリラ700頭のうち、200頭が生息している。公園側の発表によると、50人以上いたレンジャーは生命の危険が迫ったため本部からの逃走を余儀なくされた。
これまでも反政府勢力が同公園を拠点として使ったことはあったが、本部施設を制圧したのは初めてだという。戦闘地域から約40キロ離れた州都ゴマで電話取材に応えた公園の広報担当者は「コンゴ東部は非常に危険な状況だ」と説明。ゴリラなどの野生生物が戦闘に巻き込まれる恐れがあると危惧している。
コンゴの内戦は公式には03年に終結したが、東部では政府軍と反政府勢力との戦闘が続き、大量の避難民が発生。
難民救援活動を行っている米非政府組織(NGO)国際救援委員会(IRC)の1月の報告によれば、コンゴ内戦の
死者は1998年以来540万人に達し、現在でも
毎月4万5000人が死亡している。